皮膚の扁平上皮癌について
扁平上皮癌とは?
扁平上皮癌とは皮膚や粘膜を生成する扁平上皮細胞が腫瘍(がん)化してしまう病気です。皮膚、口腔内、目や鼻、指端、肺など扁平上皮細胞がある様々な場所に発生します。猫の扁平上皮癌はがんの中でも比較的多く、耳の先端で多く発生します。
皮膚の扁平上皮癌の特徴
皮膚の扁平上皮癌は猫では耳介、眼瞼、鼻、指先など、皮膚の中でも被毛の薄い場所にできやすいのが特徴です。また、高齢の白猫もしくは白い毛色が含まれている猫に多くみられます。
皮膚の扁平上皮癌の原因
白猫や色素が薄い皮膚に発生しやすいことから、長時間日光の紫外線を浴びることで細胞が損傷し、発病リスクが高まるといわれています。
皮膚の扁平上皮癌の症状
ご家族のネコちゃんにこのような症状は出ていませんか?
初期では皮膚の赤みやただれなど、皮膚炎や外傷などに似た症状がみられるため、扁平上皮癌との区別が大変困難です。
このような症状がみられたら皮膚の扁平上皮癌の疑いがあります!動物病院で診察を受けましょう。
- 皮膚の赤み(耳介の先端、眼瞼、鼻鏡、指先)
- 皮膚のただれ(耳介の先端、眼瞼、鼻鏡、指先)
- かさぶたができている
- 痒がる
- 耳から悪臭がする
- 外耳炎が治らない
- 耳がかけてきた
日ごろからワンちゃん、ネコちゃんの観察を心がけることが病気の早期発見、早期治療につながります。
皮膚の状態も定期的にチェックし、気になる事があれば早めの受診をおすすめします。
扁平上皮癌の検査と診断
①細胞診検査
細い針をしこりの中に刺して細胞の一部を採取、または潰瘍やただれている部分にスライドグラスを押し当て、顕微鏡で異常な細胞がないかを確認します。
②血液検査
貧血の有無、内臓の状態などを調べます。
③レントゲン検査
胸やお腹に腫瘍、転移、他の病気がないかを調べます。
④超音波検査
胸やお腹に腫瘍、転移、他の病気がないかを調べます。
*確定診断は切除した組織を専門家にみてもらう病理組織検査(外部検査)で行います。
扁平上皮癌の治療方法
①外科治療(手術)
最も有効な治療方法です。手術が可能であれば手術はとても大切な選択肢になります。
手術には根治を目指す手術と完全には取り切らないが、少しでも状態を改善する緩和手術があります。
扁平上皮癌は骨まで浸潤している事も多いため、根治を目指す手術では骨ごと切除する場合もあります。
②抗がん剤治療
手術が難しい場合や範囲が広く手術ですべて取り除けなかった場合に選択することがあります。
抗がん剤治療単体で行われることもありますが、他の治療と併せて行うこともあります。
③放射線治療
手術が難しい場合やサイズの小さな腫瘤(しゅりゅう)、もしくは手術で取り切れなかった場合に放射線治療を行う場合があります。
実施する場合は大学病院へご紹介します。