指端腫瘍について

指端腫瘍とは?

指や足先にできる腫瘍です。犬では特に扁平上皮癌や悪性黒色腫(メラノーマ)、肥満細胞腫などの悪性腫瘍が多く、猫では扁平上皮癌や肺癌の指端部への転移病巣がみられます。

指端腫瘍の特徴

指端腫瘍の初期は爪周囲の皮膚炎のように見えます。抗生剤などで治療をしても治らない場合は早期にレントゲンや細胞診検査を行う必要があります。また、指端腫瘍は悪性度が高いため、早期発見・早期治療が望まれます。

指端腫瘍の症状

このような症状がみられたら指端腫瘍の疑いがあります!動物病院で診断を受けましょう。

  • 足をつきたがらない
  • 歩きたがらない
  • びっこをひく
  • 指が腫れている
  • 指を気にしてなめている

発見が遅れてしまうと、潰瘍や骨溶解にまで進行することがあります。日ごろからワンちゃん、ネコちゃんの観察を心がけ、病気の早期発見・早期治療につなげましょう。

指端腫瘍の検査と診断

①細胞診検査(針生検)

細い針をしこりの中に刺して、細胞の一部を採取し、顕微鏡で観察します。ただし院内で診断がつかない場合や確定診断は手術で摘出した組織を専門家にみてもらう病理組織検査(外部検査)で行います。

②血液検査

貧血がないか、内臓の状態などを調べます。

③レントゲン検査

骨の状態、胸やお腹に腫瘍、転移、他の病気がないかを調べます。

④超音波検査

胸やお腹に腫瘍、転移、他の病気がないかを調べます。

指端腫瘍の治療方法

①外科治療(手術)

腫瘍の大きさや発生部位によっては外科手術により、断指を行います。
摘出した腫瘍は確定診断のため、外部の病理組織検査へ送ります。

治療前
治療後
②抗がん剤治療

手術が難しい場合や範囲が広く手術ですべて取り除けなかった場合に選択することがあり
ます。
抗がん剤治療単体で行われることもありますが、他の治療と併せて行うこともあります。

③放射線治療

手術が難しい場合やサイズの小さな腫瘤(しゅりゅう)、もしくは手術で取り切れなかった場合に放射線治療を行う場合があります。
実施する場合は大学病院へご紹介します。

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