腎細胞癌について
腎細胞癌とは
腎細胞癌は腎実質の細胞が癌化した悪性腫瘍で、腎臓腫瘍の中では最も発生が多いと言われています。
腎臓腫瘍はまれに両側に発生することがありますが、通常は片側の腎臓が腫瘍化します。
腎細胞癌の特徴
腎臓腫瘍はほとんどが悪性であり、リンパ節、肺、骨、肝臓などに転移がよくみられます。
また、腎細胞癌は中・高齢犬に発生します。猫では極めてまれです。
腎細胞癌の好発犬種
- パピヨン
- ミニチュアダックスフンド
などが挙げられます。
腎細胞癌の症状
食欲不振や体重減少などの症状が出ることもありますが、これらの症状がみられず腹部膨満で来院されるケースも多いです
このような症状が見られたら腎細胞癌の疑いがあります!動物病院で診察を受けましょう。
- 元気、食欲の低下
- 血尿が出る
- 腹部が張っている
症状がみられる頃には病気が進行していることがあります。
定期的な健康診断を受診し、病気の早期発見・早期治療につなげていきましょう!
腎細胞癌の検査と診断
①細胞診検査(針生検)
細い針を刺して細胞の一部を採取し、顕微鏡で観察します。ただし院内で診断がつかない場合は、手術で腎臓を摘出して専門家にみてもらう病理組織検査(外部検査)が必要になる事があります。
②血液検査
貧血がないか、内臓の状態などを調べます。
③レントゲン検査
腫瘍の大きさ、転移、他の病気がないかを調べます。
④超音波検査
腫瘍の大きさや広がり、転移、他の病気がないかを調べます。
⑤CT造影検査
周囲組織へ重度に浸潤、癒着していないかを調べます。手術で摘出可能か否かを判断するのに有用な検査です。実施する場合は他院をご紹介します。
腎細胞癌の治療方法
①外科治療(手術)
摘出可能で、もう片方の腎臓が正常であれば手術はとても大切な選択肢です。一般的には転移しやすく、根治が難しい腫瘍と言われていますが、早期発見であれば腎臓を摘出することで、根治可能な場合もあります。
②抗がん剤治療
手術が難しい場合や範囲が広く手術ですべて取り除けなかった場合に選択することがあります。
抗がん剤治療単体で行われることもありますが、他の治療と併せて行うこともあります。
③緩和治療
周囲組織への浸潤や転移が認められる場合は、鎮痛剤などで苦痛を和らげ、生活の質をできるだけ維持することを目的とした治療を行います。